僕の彼女は天使様

『夢を見たの。』


『夢? 』


『うん。蓮の夢...毎日毎日。会いたいなぁ、ってずっと飛んでたら疲れちゃってここに来た。』


『それは...不思議な話だな。』


兄上は額に掛かる黒髪を払いのけると、いきなりティアの翼をぎゅっと掴んだ。

『ああっ! 』


ティアが小さな叫び声を上げ華奢な身体がびくんっ、と震えた。


『...お前怪我してるな? 蓮...気がつかなかったのか? 』


ティアは会った時から上機嫌でそんな素振り全然見せなかった。


『蓮に会えて...嬉しくて忘れちゃってた。』