僕の彼女は天使様

怒りに任せて人狼の一人を殴りつけたその時。


『ああっ! 』


ティアが苦痛の声を漏らした。


翼のチェーンが引っ張られ何枚も羽が落ちる。


『これはこれは王弟殿下....この天使はあなた様の物でしたか? 失礼致しました。』


リーダー格の奴がニヤニヤ笑いながら言った。


『少しでも動くと見事な翼が台無しになりますよ? 』

『何が望みだっ! 』


『何も? 強いて言えば嫌がらせですかね。あなたの兄上が魔王になってから我々凶悪犯罪者は実に仕事がしずらい...そこに王宮に天使が居て家族同様に暮らしていると聞いて...。』


ニヤニヤ笑いが更に深くなった。


『こうすれば、魔王かあなたが必ず来ると思いましてね。』