僕の彼女は天使様

(あまり遠くには行けない筈。片っ端から探してやるっ! )


『蓮様っ! 羽がっ。』


ケルベロスが吠え、僕を呼んだ。


王宮から近い森の中、夥しい羽が散乱している。


ティアはきっと抵抗したんだろう。


この大量の羽を見れば分かる。


『ケルベロス! 気を探れっ近いぞ。』


僕の声はもう殆ど悲鳴に近い。


『...こっちですっ! 』


走って、走って。


(ティア...無事でいてくれ。)


僕はそれだけを願った。