僕の彼女は天使様

『大丈夫そうですね。蓮様にはティア様がお側にいらっしゃいますから。』


(違う...そんな筈はない....僕はそんな簡単に花梨さんを好きになった訳じゃない。)


『蓮様? 』


『違うっ! 僕が好きなのは花梨さんだっ! ティアじゃない...だいたい迷惑なんだ、夢だかなんだか知らないが、勝手に来られて...。』


カタン。


バルコニーの扉が軋んだ音を立てて開いた。


『ティア様。』


青白い顔をしたティアが立っていた。


涙が大きな瞳から溢れている。


『全然知らなかった...ごめんね、蓮。迷惑掛けて.....ティアのせいで。』


それだけ言うと走って部屋を出ていってしまう。


『....っ...。』


(胸が痛い。花梨さんの結婚を聞いた時より何倍も)