僕の彼女は天使様

『ひゃっ! 』


出て来たのは黄金色の、


『猫? 』


人間界で言う所の豹とかチーターに似てる。ただ物凄く大きい。前足なんて僕の胴回り位ありそうだ。


緑色の瞳が品定めするみたいに僕を見詰めていた。


『う…』


大きい犬なら慣れてる。言わずもがなケルベロス。


でも…猫は…。


そいつはぐぐっ、と体制を低くした。きっと飛び掛かるつもりだ。前足で軽く叩かれでもしたらきっと僕の首は簡単に折れるかぶっ飛んでそれて終わり。


冷たい汗が背筋を伝った。

タンッ、


そいつは高く跳躍し、思わず目を閉じる。


父上、母上っ、ごめんなさい。僕もう…


瞬間。


『わあ!』


柔らかい毛皮の感触、次いで温かく湿った物が頬に触れ…舐められてる。


ぐるぐると耳元でそいつが喉を鳴らしているのが聞こえて来た。


どうやら盛大に好かれたらしい。