『皇花っ! ドラコンでも倒しに行こうではないか』


ああ…まただ。


本当うんざりする。


僕、黒瀬 皇花。


父親は魔王、黒瀬 皇。


唯我独尊、子供の僕から見ても超絶美形、非の打ち所が無いこの男が最近の悩みの種だ。


ここは隠れてとんずらするに限る。


だいたい僕は暴力は嫌いだ。ドラコンなんて魔界でも超凶暴種なのに…しかも僕は落ちこぼれだ。


何故か?


瞳が金色じゃ無いんだ。


代々魔王跡継ぎには瞳が金色に産まれてくる。でも僕は母上譲りの茶色の瞳。


だから魔王になる資格も無い、よってドラコンを倒して力をつけたりする必要なんて無いんだ。


僕には何も無い。


何の力も無い。


だから父上の期待が重い。