仁志の後ろから可愛らしい女の子が出てきた



「仁志君。早く行こうよ。今日はエマとデートでしょう?」



「あぁ、そうだったな」



仁志はその子の頭を撫でた



私は開いた口が閉じられなかった



な…デートって…デートって…



「予約待ちでやっとデートできたのに、今日もナンパ?」



「なんでもないよ、エマは心配しなくていいんだよ」



何…その甘い声…




昔の仁志とは違う…



私の好きだった仁志は…もういない…



ヘナヘナと力を失っていく私は地面に座り込んだ



仁志は女タラシになったんだ…



「じゃあな。良嘉」



去っていく仁志を後ろから見つめていた私は唇を噛んだ



馬鹿みたい…なんで、私あんな奴好きだったの…?



ううん、私が好きだったのは昔の優しい仁志



今の仁志は嫌い…