もうわかんないよ…



どうせ…どうせ…仁志にとって私はどうでもいい女だったんだ…



走って、走って、走って、走って



自分でもどこに向かっているかわからない



でも、走りたかったんだ



止まると、涙が溢れてきそうで…走らなきゃいけないと思ったんだ…



気付くと、私の知らないどこかにいた



ここ…どこだろう…?とりあえず、駅があるから行ってみよう



でも…帰りたくないなぁ…



家にはきっと仁志がいる…顔合わせたくないなぁ…



私は駅の入り口に小さく蹲った



嫌だなぁ、私…元々、相手にされていないことなんてわかりきっていたのに…なんで、あんな紙切れで舞い上がってるんだろう…



仁志にとって私はどうでもよくて邪魔で消えて欲しい女だったんだね…



馬鹿だなぁ、どうしてわかってたのに…私の馬鹿…



「ふえ…ひ…とし…」



涙がまたボロボロと溢れ出てくる



もう幼なじみにも戻れないの?私のことそんなに邪魔?



仁志のやることに何も文句言わないから…言わないから…




邪魔だなんて思わないで…