尚仁が言う"美和ちゃん"に出会って一週間経ったが、公弥にはなんの進展もなかった。 公弥と美和は同じ学年だが、クラスが離れているため廊下で出会うわけでもないし、はじめて会った下駄箱の前にも彼女が現れることはなかった。 「(…さすがにテンション下がるな…。一週間見かけもしねえ…)」 「お、元気ないね公弥。また妄想か?」 「…………ちげえよ」 尚仁は公弥につっかかって来たが、公弥は弱く否定した。 すると尚仁は心配そうに公弥の顔を覗き込んだ。