「な、なんだコレ…!!頭おかしいだろ…!!」

読み終わった公弥の背筋には悪寒が走った。

「信じれるわけないだろ、普通…!」

しかし、この手紙にはまだ続きがあった。

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P.S.

きっと、まだ君は僕の存在を否定すると思う。

そうだな、たしか…


5年前の僕は1年7組佐倉 美和に恋をしていた。


これで少しは信じてもらえたかな?

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ありえない、公弥は呟いた。
公弥が美和を気にしてることは彼自身、誰にも口外していないし、彼女のことを聞いたのは特に仲の良い尚仁だけ。

というより、まともに会話したこともないのに、感づかれるはずがない、と公弥は思った。

「(それに、悪戯でこんな手の込んだことをする馬鹿はいないだろう)」

「……まさか、だよな」


そう呟いた公弥の声は、騒がしい朝の音にかき消された。