それはちょうど雨の季節。 グレーの心が沈むような空に手が届いてしまいそうな日だった。 美和と再び会話をした翌日、 公弥はいつもどおり学校に登校したが、実は一睡もしてなかった。 「(興奮して眠れないって、遠足前の小学生かよ)」 公弥にはあまりこのような経験がなかったため若干イライラしながら、いつも通り下駄箱を開く。 すると、彼の下駄箱から紙が一枚、ひらひらと舞い落ちた。