恋のありかた


「雪南~!」

教室に入ると、朝一番で唯が嬉しそうな声をあげながら抱きついてきた。
抱きつかれる前に肩をぎゅっと掴むと、唯はエヘヘと笑った。

「どうしたの?」

「ほんっとうにありがとうね。昨日、メールきたんだよ!」

「よかったね。」

「うんっ。マジ雪南大好き。早く言えばよかった」


栗色の髪を、綺麗に巻いている唯は薄ら涙を浮かべて言った。

そんなに、好きなんだ。

中学から一緒なのに、気付かなかった。

頭を撫でて私も微笑む。

これで友達が幸せになれば、私もあれこれ言われなくてすむし

楽になる。

……そう、思ってた。


「しかもね、唯、今日から倉田クンとお昼一緒に食べる事になっちゃって!」

「そうなんだ。メール始めたばっかなのに超順調じゃん」

「でしょー?もうこれ、ハッピークリスマスげっとできるかも」


三月と、お昼か。

……どうしてだろう、何故かうまく笑えない。


こんな事は、今までに何度だってあったはずだ。


後輩にしろ、先輩にしろ、

何度も何度も呼び出されては、何度も自慢をされた。


興味はなかった。


どうでもよかった。


どうしてなのかな、身近にいた、友達の場合は

どうして、 こんな汚い感情が生まれるのだろう。


私は、三月の事なんか好きじゃないのに。


これは、ただの、独占欲だ―――……


「雪南?」

「あっ、うん。頑張んなよ」




……初めての、感情に近かった。

好きではなくて

嫌いでもなくて

でも

誰にも渡したくないという

心の

醜さの表れ。


きっと態度にも出ていたのかな

知らないうちに。



……わからない。




わからないよ、自分が。