面倒な事は翌日すぐに起こった。
学校へ行く途中、襲われた。数人の男に囲まれて勝てるすべもなく、どこか知らない場所へ連れていかれた。
どいつもこいつも頭の悪そうな顔をして、ニヤついている。これから起きる事の予想はついた。
……震えが止まらない。唇を噛んで俯いた。
予想はできたものの、怖くてたまらない。
「……もっとキャーとかいうのかと思ったけど、何コイツ冷めすぎじゃね?」
「慣れてんのか?」
「あーかもなー。唯の情報だとそれっぽいし」
「なら早くね?ちゃっちゃとしちまおーぜ。」
ボソボソと仲間内で話す内容に背筋が凍りつくかと思った。
乱暴に連れていかれたせいで、顔はボロボロ、制服はところどころ擦り切れている。
手を後ろに回され、縄で拘束されているせいで逃げるにも逃げられなかった。
「えーとぉ?セツナちゃんだっけー?」
リーダー格っぽい男が話し終えたのか、輪から抜け出してこっちへ来た。
しゃがみこんで汚い顔を私の顔に近づける。
「…だったら、なんだよ。」
「あ?何その口のきき方。自分これからどーなるかわかってんの?」
ぐっと頬を掴まれる。力任せなのか物凄く痛い。
「やるならやれば」
助けは望まない……怖いけど、これで終わりならそれでいい。
自分への罰だと思えば軽いかもしれない。
まさか、初めてをこんな奴に捧げる運命にあるとは思わなかったけど
思わず笑ってしまう。
「何笑ってんだよ!おい!やれ!」
「お前はやんねーのかよ、租チンだから自信がないのかな?」
バシッと鈍い音と、鋭い痛みが頬に走った。
身体が横に倒された。
……痛い。
こういうときにも可愛くなれない。なる必要はないけど
相手を怒らせる言葉ばかり口走ってしまう。
助けて、なんて。誰に言えばいいのか分からないよ。
「なめんじゃねーよ。オイコラ。お前らやっぱいーよ。俺が先にやる。」
髪を掴まれて無理やり仰向けにされる。
それから何発か殴られた後から記憶がなかった。
