「二人の死後、憐れんだ両家は和解をするっていう話」 「なんか……切ないな」 「でも、羨ましい。私も、こんなに人を愛してみたいなぁ」 「藤堂さんって、ロマンチストだね」 あっ!ちょっと目元が笑った! なんだ~。中村君も笑えるんだ。 「何?何ニヤニヤしてんの」 「ううん。中村君って意外と話をするんだなぁって思って」 「それはどうも。俺、そろそろ帰る」 「あっ!待って!私も」 中村君の大きな歩幅に間に合わなくて、小走りに追いかけて行った。