初めて見た……。 人の……あんなシーン。 思い出すだけで、赤面しちゃう。 「今日、見たの秘密な」 「えっ!?」 「しーっ」 中村君は、私の唇に人差し指を当てて、目元だけ緩ませて私にそう言った。 唇に触れた指が、さっき見た光景を忘れさしてくれた。 きっかけは、衝撃的だったが、彼もまた私の生活に大きな変化をもたらすこととなった。 渋谷拓海―――2人目のロミオ