「早くしろ。」

「う、うんっ」




差し出される手をそっと手を伸ばすと少し強引に哲平が手を絡ませる。


前じゃ考えられなかった。
哲平とこんなにも近くに入れるなんて。


…幸せ。



「何、ニヤついてんだよ」

「に、にや…っ!?」


横目で私を見る
少し呆れ顔の哲平。



「で、これからの予定は?」

「んっとね、まずイルミネーション!」



クリスマスに転倒される大きなクリスマスツリーを見に行くんだ。雑誌でも取り上げられているくらい凄く綺麗なイルミネーションらしい。



「じゃ、行くか。」

「うん!」



手は繋いだまま、
高いヒールで雪の上を歩く私を支えるように哲平が歩く。


あったかい…。
人の体温て、こんなに暖かいんだ。



「ほら、さっさと乗る。」

「…はーい」



せっかく繋いだ手を離し、
助手席に乗り込むと直ぐに車が動き出した。




走っていくにつれて、街の風景が変わる。綺麗にライトアップされたお店。そしてお洒落をした人々。


みんな、幸せそう…。





「ここから歩くけど大丈夫か?」

「うん、すぐそこだし、平気っ」





駐車場に車を止め、
そこからは徒歩。



…カップル一杯だあ
クリスマスマジック!




周りは笑顔の
カップルばかり。



「…行くぞ。」

「もう、早いっ!」



周りに見とれていた私の背をぐっと押し、ツリー目指して2人で歩き始めた。