「あ、有紗いたよ。ここまでありがとう」



「いいよ、そんなの!」



いつのまにか私は笑えてたね。



「沙羅、僕のこと忘れないでね」



「忘れるわけないじゃん」



「僕も忘れないよ。あ、そうそう」



「何?」



聖夜は沙羅の耳に近づいて言った。



「秋山くんによろしくって伝えといてくれ。じゃあ、幸せに」



「…は!?」



聖夜はあの笑みをした。



今までで一番憎たらしい笑み。



聖夜は中に入った。



沙羅は聖夜の背中を目に焼きつける。



「聖夜…ありがとう」



…聖夜、ずっと愛してるよ。