神様、今だけ許して下さい…。



車に乗り、空港に向かう中、二人は寄り添っていた。



「沙羅、元気にね」



「聖夜も…。有紗さんにも言っておいて?元気でねって」



「うん、分かったよ」



着々と空港に近づいていく。



聖夜…幸せになってね。



青く澄んだ空に沙羅は願った。



「川原、ちゃんと沙羅を家まで送ってあげてね」



「かしこまりました」



いよいよ、お別れのとき。



「待って、途中まで行く」



車から出ようとする聖夜を呼び止めた。



「うん、じゃあ来て」



沙羅も車を出て聖夜の横に走る。



「もう有紗さんは来てるの?」



「来てると思う」



さすがに有紗さんのところまでは行きにくい。



「じゃあ、ここまで」



入口の手前で沙羅は止まった。