「沙羅、着いたよ」 「…」 車から出て沙羅は驚いた。 「すごいね…」 そこには緑が広がり、春を感じさせる小さなたんぽぽ。 そして、街並みを一望できるこの高さ。 青く澄んだ空…。 沙羅は感動した。 こんなところがあるなんて。 「気持ちいいだろ?」 大きく伸びをする聖夜。 「うん…」 「僕のお気に入りの場所なんだ。沙羅以外連れてきたことはないよ」 …そんな優しいこと言わないで。 「あそこに座ろう」 聖夜が指さしたのはひとつのベンチ。 「うん」 沙羅は聖夜についていった。