一時間くらい泣いただろうか。



空はもう晴々としている。



「ごめんね…」



秋山さんのスーツを握りしめる。



「いいですよ」



…聖夜、追いかけてくれなかった。



何もしてくれなかった。



今、私のそばには秋山さんがいる。



「沙羅様、家に帰りましょう。もうお昼を過ぎています。」



学校に戻ろうとは言わなかった。



その優しさがあたたかい。



…笑わなきゃ。



私、迷惑かけてる…。



「…うん!」



沙羅は顔を上げ、笑った。



今までにないほどの笑顔で。



…でも、ちゃんと笑えてる?