「沙羅様、おはようございます。お朝食の用意ができました。朝の身支度が出来次第、お越しください。」



そこには、ビシッっとスーツで決めた男の人が立っていた。



「…あの、誰ですか?」


「申し遅れました。私は白石財閥の執事、秋山と申します。御用があればなんなりとお申しつけください」



「白石財閥…!?執事…!?」



沙羅は広い部屋でひとり興奮していた。



秋山は表情一つ変えず、紳士的なお辞儀をして去っていった。



「失礼しました」と残して。



…なんなの。まったく状況がつかめない。