「お嬢様」 「…?」 一人のメイドが沙羅に傘を差す。 「全部、知っています。秋山から聞きました」 知ってるの? 「まだお嬢様のこと、好きですよ。これからもずっと。秋山は本当にお嬢様を愛していましたよ」 信じていいの? 本当なの? メイドはにっこりとほほ笑んだ。 「中に入りましょう。風邪を引いてしまいます」 二人は中に入った。 沙羅はビショビショだ。 床に水たまりができる。 「すぐにタオルをお持ちしますね」 メイドはタオルを取りに行った。 「…」 ねぇ、創也。 知ってた?