ある光景がよぎる。 「創也ぁっ!!!」 沙羅の声だけが廊下に響く。 嫌だ。違うよね? 違う…。 大丈夫…。 サー… 雨音が静かに聞こえる。 誰もいない廊下。 そこに立ち尽くす沙羅。 「…どこにいんのよっ!」 創也を見つけられない。 いつも創也が“沙羅様”って見つけてくれるのに。 私にはあなたを見つけられないの? ねぇ、お願い…。 私から創也を奪わないで…。