サー… 雨の勢いが弱まったころ。 「ん…。寝ちゃった…」 沙羅は目を覚ました。 …謝りに行かなきゃ。 沙羅は体を起こして、部屋から飛びだした。 「秋山さん?」 どこにもいない。 「…?」 沙羅は走った。 「どこにいるの…?」 いない。 「秋山さん…?」 「秋山…。創也っ!!」 嫌だ。 「創也っ!!!」 走っても叫んでも、創也の姿は見当たらない。 「創也…」 嫌だ。嫌だ。 出てきてよ。 “沙羅”って呼んでよ。 …嘘でしょ?