「あら。戻ってきたの?」 キョトンとした顔で二人を見る母。 「私の仕事は沙羅様の執事でございます。勝手ながら、執事としての仕事で終わりたいと…」 「そう…。言っとくけど、処分は処分だから」 「はい」 処分は取り消し。 こんなドラマみたいな展開の見込みはない。 「悪いんだけど…」 母が重い口を開く。 「お父さんが帰ってくることになったの」 「え?」 長い出張に行ったはず。 「仕事が早く終わったみたいなの。それで…」 「そうなんだ…」 ちょっとここにいづらくなる。 バレたら…終わり。