「沙羅、またね」 「沙羅、お元気で」 学校も終わり、有紗・聖夜・沙羅の三人で空港に来ていた。 「うん、元気でね…」 遠のく二人。 それをただ見つめる沙羅。 何も言わず、送り迎えの車に戻っていった。 「…ちょっと行きたい所があるの」 「かしこまりました」 運転手にそう頼んだ。 「ご用事ですか?」 創也が聞く。 「…うん、ちょっとね」 沙羅は過ぎていく景色をただ見ているだけだった。