祖父は生まれる前に死んだと母親から言われていたのだ。



「…ごめんね。お父さん側のおじいちゃんは死んでなかったの。でもそれはだましてないわ。私のお父さんは確かにそのとき死んだのよ。」



「…」



頭が混乱する。



次々とのしかかる真実。



衝撃が私をかけめぐる。



「てっきり両方とも死んじゃったと思ってた…」


確かにお父さん側のおじいちゃんは死んだとは聞いてない…。



これは私のミス。



「それでね、この豪邸にはおじいちゃんがいるわけだし、まだ庶民の暮らしをしようってことになったの。そして、ひとつ決めたの…。沙羅が16歳になったらこの豪邸に住もうってね」



母はウインクをした。