「はぁ…」



沙羅の心臓は破裂寸前。



「秋山さん、行くね。もう寝てていいから」



そう残して部屋を出た。

―――――――――――――――

「あ、ねえちゃん。ケーキ」



「ん。ありがと」



拓真は沙羅の分のケーキを持っていた。



「ねぇ、拓真ー」



「んー?」



「執事に恋しちゃ駄目かなあ」



「…は?」



「…ん!?」



私、今何言った!?



自分の発言した言動に驚く沙羅。



「…執事って…。聖夜さんは?」



「…知ってるんじゃないの?」



ちょっとふくれっ面をしながら言った。



聖夜との婚約破棄はみんな知っているのだ。



「…わり。執事ってさぁ」



「あぁ!もういいから!忘れて!」



私はなんてことを…。



つくづく思う沙羅であった。