【短編】少年A・少女A





さて。



問題は誰を殺すかだよね。


買ったばかりのナイフ入った袋を片手に、アメをなめながら少女はスキップをする。



少女がスキップするたびナイフが袋の中で嬉しそうに踊った。



心臓がトクトクとリズムよく鳴り響く。



少女の顔は笑顔に包まれていた。





殺すとしたら全く知らない赤の他人がいいかな?



だって知ってる人だったら捕まえられるかもしんないし。



まぁ捕まえられてもいいけど。
刑務所なんて滅多に入れないし。



少女がハミングしながらスキップする。



その度にきれいなきれいなナイフが入った袋が嬉しそうに揺れる。








ツカッテモラエル






ツカッテモラエル










ツカッテモラエル…








夕暮れ時の空は赤い。





血に染まったように。