「バイバーイ」
「うん。またねぇ。」
友達と別れたあと、人気の少ない今にも潰れそうな商店街の真ん中を歩く。
片手にはいつもの棒つきキャンディのイチゴ味。
耳にはノリのいい曲が、イヤホンから聞こえる。
それにあわせて少し、ハミングしながらスキップする。
今時こんな学生いないよね。
そう思いながらも少女はそれを続ける。
しかしすぐ飽きて、イヤホンを外し、乱暴にバックの中に押し込んだ。
つまんないの。
ホントつまんない。
なんか楽しいことないかな。
人がしそうになくて、スリルがあって、やめれなくなるような…。
まぁあるなら今ごろやってるんだけどね。
商店街の真ん中を歩く。
ふと横をみると、少女の足は、自動的に止まった。
ゆっくりそれに近づく。
ガラスに手を当てて中にある、異様な光を出しているものに近づく。
「………きれい……」
少女の目線の向こうには鋭くとがった、ナイフが飾られていた。


