「これでいいんだよな」



富雄さんがつぶやく。



「もう少し素直になったらいいのにねぇ。行かないでくれって」



「バカ言え。娘を甘やかすわけにはいかねぇ。どこまで強くなるか楽しみだ」



「…そうだねぇ。でもあの子、大丈夫なの?行くあてがない…」



峰子さんは顔をしかめた。



「大丈夫だ。そのへんのことに関してはオレがなんとかした」



「ホントに?それならいいんだけど…。美優…帰ってくるかねぇ」



二人は星が散らばる夜空を見上げた。



「頑張れよ」