「友達ねぇ~」



ニヤニヤとした顔で私を見る。



「潤也は違うの!」



「…潤也って言うんだ~♪」



あ、名前言っちゃった。



「もう私帰るからね!夏紀は居残りあるんでしょ?」



「えー帰っちゃう?居残り、嫌~」



夏紀はぐたーと机にうつぶせ。



「頑張れ!!じゃあね~」



私はとさくさと教室を出て、階段を駆け降りた。



潤也、待ってるかな…。



待たせてると怒られちゃうんだよね。でも、私の送り迎えはちゃんと続けてくれる。



「潤也っ」



「オイ、てめぇおせーよ」



いつもの決まり文句。



「ごめんってば。友達と話してたのー」



“南の彼氏は来るの??”



潤也が彼氏?…そんなことはありえない。



「じゃ、さっさと乗れ」



私はバイクに乗っていつものように潤也の腰に腕を巻いた。