「花崎さん、これお願いします」



「はい」



私は片手にお盆を持って、しばらく進む。



「お持ちしました、海老と貝の海鮮パスタです」



今日はミノリヤのお仕事。いつものように仕事をこなしていた。



カランカラン



ふとドアに目をやると私にとっての嬉しいお客さんが。



私は思わず、その人の所へ駆け寄る。



「春樹…?」



「あれ!?美優?ここで働いてたの?」



「うん。あ、こちらの席へどうぞ」



「あ、どうも」



私が働き始めていた時はあまり男性客来なかったけど、今じゃもう男女問わずの大盛況。前、有名な雑誌にも取り上げられていた。



「前から来てた?」



「うん、結構常連なんだけどさ。すれ違いが多かったか?」



前々から来てたのにまったく顔を合わせていないという…。なんて悲しい。



ちょっと落ち込む。



「…ご注文は?」



「じゃあ、カルボナーラ」



「はい、かしこまりました!」