ミノリヤで働いて1ヶ月が経とうとしている。



もうだいぶ慣れ、お店の人たちとはみんな仲良くなっていた。



「ねぇ、美優。好きな人いる!?」



お店の奥にある小さな休憩室。



「私…?うーん、よく分かんない」



「なにそれー」



私に話しかけるのは亜美[アミ]。ミノリヤの中で一番仲のいい友達で同じ高2。



ショートがよく似合う笑顔が絶えない女の子。



「じゃあ、気になる人は?」



「気になる人ー?」



一瞬、あの人の顔が浮かんだ。



「…いるかな」



「え!?どんな人??」



「優しくて、お兄さん的な存在」



なぜか顔が少しゆるむ。



「…美優、それもう好きなんじゃないの?」



「え?」