「…ここ、だよね」



私はあるお店の前に立っていた。



持っている紙とお店の看板を見比べる。



私は入口のドアノブに手をかけた。



カランカラン♪



「いらっしゃいませ!」



ベルの音と若い店員さんの声。



「あの…店長さんは…」



「私ですが?あ、もしかしてスターの?」



“スター”は“FIVE STAR"を略したようなもの。



「あ、はい!私は花崎美優です」



私は表情を明るく変えた。



そうこれは“FIVE STAR”のお仕事。



ここは“ミノリヤ”というオシャレな喫茶店だ。



「よろしくおねがいしますね。私は小宮麗[コミヤレイ]って言います。これから一緒に頑張りましょうね」



小宮さんは笑みを浮かべた。