「ねぇー!!」



「そんなでかい声じゃなくても聞こえるっつーの!」



バイクはある信号に止まった。



「潤也はどこの高校?」



「…南山[ミナミザン]」



「は…?」



あの南!?あそこ…すっごい頭いい学校じゃん!!



「す、すごい!!潤也、頭良すぎ!!」



「うるせー。もう朝霧着くぞ」



信号も青に変わり、ちょっと進んだ所にある朝霧の校門に止まった。



「まさか潤也が南だとは思わなかった…。ありがと。おかげでギリギリセーフ!じゃあね!」



私はバイクから降りた。



「おう…あ」



「何?」



「また迎え来るわ。じゃ」



「?」



潤也はエンジン音を響かせながら、行ってしまった。



…潤也、意外とやさしい?