羽波潤也[ハナミジュンヤ]。あいつの本名。



そして…



「ちょっと集まるか。潤也、二人呼んでくれ」



入社して次の朝だった。



前、春樹たちの班に入っていた人の部屋を借りた。



部屋にあったのはベットやテーブル…まぁ、普通に生活はできる。家具があるだけで“もの”がないだけ。



そして、その部屋は私の部屋になる…。



「あいつら起きてんの?まぁ、電話すっか」



今は春樹の部屋。



潤也は携帯電話をジーンズの尻ポケットから取り出して“二人”に電話をかけた。



「…あ、蓮華?お前…寝起きだろ」



『…何よ、もう…。今、いい夢見てたのに…。何があったの?』



女の人の声が聞こえる…。



「何がってお前…。一応、今日島田に渡すだろ?」



『あぁ!そうだった。…でも、なんでいちいち電話してくるわけー?』



「蓮華ぁー!!おはようっ。いい報告があんだよ!」



「ちょ、お前…」



春樹が潤也の携帯電話を奪った。



「新しいメンバーが入ったんだ」