「あの…助けてくれたんですか?よく覚えてないんですけど…」



「タメでいいから。なんか公園のブランコで倒れててさ、すごい熱あったから部屋に連れてきたわけ。でもまぁ、今の様子見てると熱は下がったかな」



部屋!そうだ!ここは男の…。



「あ!なんもしてねーから!大丈夫…だから」



必死に疑いをなくそうとする春樹。



「アハハッ」



あ…思わず笑っちゃった。



「な、何がおかしいんだよ!ホントに何もしてないから!」



「必死で言ってるとこが余計怪しいけど?」



「違うからな」



じっと確かめるように春樹は私の目を見つめて、キッチンに向かった。



「えと…ありがとう。助けてくれて」



「いいって!おかまいなく」



春樹はコンロの火を弱めた。



「何作ってるの?」



「おかゆ。美優の為に作ろうと思ってな」



「…ありがとう」



いい人だな。そう安心しきっていた時だった。