【中編】糸[続編追加]

「翠?」


達矢は、翠ちゃんが言いたいことがわからないみたい。


翠ちゃんに関しては鈍いのよね。


「翠ちゃん。心配しなくて大丈夫だよ。」


私が優しく言った。


「なんで?」


翠ちゃんは、泣きそうだった。


達矢は、少し取り乱しはじめたし。


「達矢が翠ちゃん大好きなのは見ててすごいわかるんだよ。」


翠ちゃんは、首を傾げた。


かわいい。


やっぱ、私の妹。


「達矢はね。翠ちゃんの事だけ。鈍くなるし、こんな風に慌てるの。普段は、頼れるお兄ちゃんなのに。不甲斐なくなるのよ。」


「ホントに?」


聞き返す翠ちゃんに頷いた。


やっと安心したみたい。


「じゃあ、私着替えてくるね。」


私は、翠ちゃんと達矢を2人きりにした。


どう考えても私は邪魔な存在だから