【中編】糸[続編追加]

私と達矢の関係はこうなんだ。


私にしたら達矢はお兄ちゃんみたいな存在。


同い年だから、変な壁はないし。


達矢にしたら私は妹みたいな存在。


ちょっと手の掛かる泣き虫。


そのせいで、翠ちゃんは、ちょっとつらそうね。


けど、そこに恋愛感情なんて一切なくて。


家族愛なんだよね。


達矢は、初めから翠ちゃんしか見てないし。


つきあう前の達矢の態度は、笑えたもんだった。


私には、男友達とかもたくさんつくれとか言うんだよね。


だけど。


翠ちゃんには、男友達なんかつくるなよってね。


男は、絶対下心があるからって。


明らかに独占欲だしね。

「達矢くんは、私にはそんな心配してくれないよね。」


翠ちゃんがぼそっと言った。


しかも、悲しそうに。


翠ちゃんは、私に嫉妬したんだ。


そうだよね。


実の姉とはいえ、女だし。