【実話】ありがとう…。

「お前のせいじゃないから…気にすんな」


何で…昨日はあんなに元気に笑ったりしてたのに―。


神様は、やっぱり私の願いは…聞き入れてくれないんだね…。

どうして…どうしてたかさんなの?

他の人だっていいじゃない!!

ただ泣く事だけしか出来ない自分に、腹が立つ!


少しすると、吐き気がたかさんを襲い始める―。


「ウエッ…ケホッ、ケホッ…」

既に食べ物も殆んど受け付けない状態だから、吐く物なんて何もない。

ただ胃液を吐くしかない。

背中を擦り、暫くすると少し落ち着く。


見ているのが辛い…。

たかさんの方が、本当はもっと辛かったよね―‐。




結局…見ているのが辛くて、私は逃げ出した―‐…。



2時20分頃、

「帰るね」

って言った時のたかさんの寂しそうな笑顔。


「寂しいけど、いいよ」

って。


いつもなら、

「またね」

「またな」

って、それがいつの間にか合言葉になってたよね…。



なのに…。


この日は、二人とも言わなかったんだ…。


『帰るね』『寂しいけど、いいよ』これが私達二人が最後に交す言葉になるなんて……思わなかった―‐…。