【実話】ありがとう…。

12月5日。

今日は、朝からたかさんの病院へ行く。


昨日の事もあり、心配だった。


病室の前に行くと、顔馴染みになった看護師が声を掛けてきた。


「こんにちは。佐藤さん、白血球が少なくなってきてるの。入る時はマスクして、手もここにあるアルコールで消毒してから入ってね」



「分かりました。ありがとうございます」

挨拶をし、マスクをかけ、手を消毒して病室へ入る。


「思ったより、元気そうだね」

たかさんの様子を見、安心して微笑む。


「一人だから、退屈でしょうがねー」

と苦笑いした。


「白血球が減ってるんだもの、仕方ないよ」



「まぁな…」



「食べてるの?」



「食べたいとは思うんだけど、受け付けないんだ」



「でも、顔色もいつもよりいいし、吐き気とかも治まってるみたいだね。ここに来てから、一番調子良さそうだけど」



「おう!今日は、何だか吐き気とかも無いし、調子良いんだよ!なぁー。Dルーム行かねぇ?」

ちょっぴり自慢気に言うたかさん。


「ん?部屋から出ても良いならいいけど…」


看護師に確認すると、O・Kが出たので、Dルームへ向かう。