【実話】ありがとう…。

次の日。

夜勤だったけど、朝早く起き、心配でたかさんの様子を見に行く。


思ったより元気そうで安心する。


けど、沢山の点滴の量で驚いた―。


「凄い量の点滴だね」



「あぁ、こんなの見てたら、大したない食欲が尚更無くなるよ」

と点滴を見ながら、ため息を吐く。


「そうだね…」

私も釣られて、苦笑いするしか無かった。


「髪…短くなっちゃったね」



「まぁ、抜けるなら坊主でも良いかなって思ってさ」



「うん…」



「夜勤なのに、来てくれてありがとうな」



「ううん」



「望、手出して」



「ん?」

不思議に思いながらも手を出すと、たかさんが確りと手を握る。


暫くして、手を離すと、又手を握る。


自分から手を離したと思ったら、私の髪を弄ったり、頬を触ったりする。



たかさん、どうしたの?

不安なの?

私が居る事で少しは、不安取り除けてる?



普段なら、人が居る所でこんな事、絶対しないのに―‐。



その後、暫くはあまり調子は良くないけど、何とか落ち着いた日が何日か続いていた―。



12月2日。

今日は、早番だったから、3時半に仕事が終わり、たかさんの病院へ向かう。