【実話】ありがとう…。

「ご飯、食べれてる?」



「うーん、吐き気が酷くて、あんまり食べれてないかな」



「そっか。けど、食べれそうな物だけでも、食べるようにしてね!」



「分かった。けど、お前よく来たな!」

子供を誉めるみたいな顔で、優しく笑った。

「望、おいで!」

そう言って、私が傍に行くとギュッって抱き締めてくれた。


「疲れてるのに、ありがとうな」

そう言って、カーテンを引っ張り、

「チュッ」

って触れるだけのキスをくれた。


「大丈夫だよ。私は、来れる時しか来ないんだから」

そう微笑む。

「それに、たかさんがチューくれたから、元気になった♪」



「俺も癒されたかったからな」

二人で顔を見合せ、へへへって笑ったね―。


お母さんも戻って来て、色々話して笑ってたら、あっという間に時間は過ぎ、

「そろそろ帰ろうか」

お母さんの言葉で帰る事になった。


本当はもっと居たかったんだけど、二人で来たから仕方ないよね。


「たかさん、またね!」



「おう、またな!」


お母さんとバスに乗り、家の近くのバス停で別れ、家に帰って来た。


「ただいまー」



「おかえり。あんた明けなのに大丈夫なの?」