【実話】ありがとう…。

お母さんは振り向き、

「ごめんね、寝る時間なかったんじゃない?」



「いえ、2時間程眠ったから、大丈夫です」


話をしながらバスに乗り込む。


話をしているうちに、

「次は札幌総合病院前~」

目的地に着き、バスを降りると病院は直ぐ目の前だ。


病院に入り、病室へ向かう。


かなり大きな病院だ。

床の目印が付いてなければ、確実に迷子になる。


病室の前に着き、お母さんがドアをノックする。

「コンコンッ…」

ドアを開け中へ入ると

「お袋…」

お母さんの後からヒョコッと顔を出す。

「…望…。お前どうして?」



「うーん?実は昨日、お母さんから電話来て、誘われたから、一緒に来ちゃった」

ってケタケタ笑った。

笑いながら

「ビックリした?」



「まさか来ると思ってなかったから、ビックリしたよ!」



「だから、内緒にしといたの!」

私は、満足そうに笑った。


たかさん、ちょっと痩せたね…。

やっぱり副作用酷いのかな?

いつもと顔が違って見えるのは、気のせい…?


「たか、お母さん先生に呼ばれてるから、ゆっくり話してな」



「ああ」