【実話】ありがとう…。

「疲れてるのか?それとも機嫌悪い?」

優しく聞いてくれる。


何か後ろめたい事が有るから、優しくするんじゃないの?


そう思ったら、イライラして素っ気なく返事をする。

「そんな事ないけど」



「ならいいけど」



「聞きたい事有るんだけど」



「何?」



「一昨日、仕事してるって言ってた時間、何処に居たの?TSUTAYAで兄と会わなかった?」



「いや、どうした急に?」



「うん一昨日、派手な女と一緒だった所見たって言ってたから」


ほんの一瞬だったけど、顔色が変わった。


やっぱり…。他の女と会ってたんだ。


嘘つき!!


「…いや、仕事は…あの後直ぐ終わって、CDでもレンタルしようと思って行ったら、知り合いの飲み屋の女に偶々(たまたま)会って『送って』って言われたから送ったんだ」



「そう…飲み屋の女なんだ」


いつものコンビニへ着く。


「ありがとう。じゃ」

それだけ言って車を降りる。


「望!」



名前を呼ばれたけど、今は、冷静でなんていられない。振り向く事もせず、さっさと家へ向かった。



ガラガラガラ―。


「ただいま~」