【実話】ありがとう…。

夜中の道路は空いていて、5分もしないうちに自宅近くのコンビニに着き、支払いを済ませて降りた。


家に着くと、母は眠っていた。


起こさないように静かに階段を上り、部屋へ入る。


電気を付けると、ガラステーブルの上の写真が目に入った―。



…たかさん、これで満足?


あっちとは…別れから。


その時、CKの香りが部屋の中を漂った―。


もう…何も考えたくなかった―‐。


着替えを済ませ、ベッドに潜り込んだ。


お酒を飲み、酔っている筈なのに、目が冴えて眠れない―。


仕方なく薬箱から睡眠薬を出し、ミネラルウォーターで流し込む。


30分もすると効いてきたようで、そのまま眠りに着く。









それから1週間後、斎藤さんから電話が掛かって来た。


「のんちゃん久し振り!話があるんだけど…今、大丈夫?」



「うん…大丈夫だけど、話って何?」


この時、何となく自分にとって良い話じゃないような気がした。


「のんちゃんの付き合ってた人って、DREAMって美容室の篤って人?」



「斎藤さん何で知ってるの!?私、話してないよ」