「あれ、ウチの下の名前知らない?」
「知ってる。在がいつも呼んでるだろ。」
「何かさ、ウチだけ健ちゃんのこと名前呼びだし……折角仲良くなれたのに、いつまでも名字で呼ばれてるの、ちょっと寂しいなぁって。」
確かにそうだ。この前の補習で数学の小テストが満点だったから、そのご褒美に、と井上。白紙で出していたらしい以前と比べたら明らかな成長なので、数学教師もびっくりしていたようだ。オレ達の特別補習のことを話すと、良い傾向だと笑い、“あとはその髪を何とかすれば完璧だ”と言われたのだそうだ。
「そういえば、琥珀って何か金髪に思い入れでもあるのか?」
「えっ!いきなり名前呼び!?」
「……何だよ、お前が呼べって言ったんだろ。」
「そうだけど……ま、いっか。あのね、ギャルメイクだとさ、やっぱり髪が明るい方が似合うんだよねー。」
「そういえば、お前って将来の夢決まってるのか?進学か就職かは?」
思えば、今まで話したことがなかったな。在とこいつが卒業試験をパスすることばかり考えていて、肝心の進路のことは何も聞いていなかったのだ。
聞くと、就職希望なので進学は考えていないとのこと。無事に卒業できたら、何か接客業に就きたいので、とりあえずアルバイトから始めるらしかった。
「翠ちゃんは絶対進学だから、もしウチまでそうなったら、親が大変でしょ?ほんとはね、服飾系とか料理の専門学校行きたかったんだけど……いつか自分でお金貯めてから通うのも、悪くないかなぁって。」
だから、とりあえず就職。それに、早く家にお金入れたいし。そう言って笑うのを見ていたら、人間見た目だけじゃ分からないものだなぁ、と沁々思った。
「何にせよ、その金髪は何とかしろよ。卒業したら、せめて暗めの茶色に染め直した方が良い。あと、化粧も濃いぞ。」
「えー、つけまないと生きていけない!」
「……もう少し自然なのはないのか?言い方が悪いけど、食虫植物みたいだぞ。」
それに、目の周りに色々塗りたくりすぎではないか。読んでいる雑誌と本人の考え方のせいなのだろうが、“アイラインを太く描けば良いものではない”と女子が言っていたのを聞いたことがある。それを伝えたら、「え、そうなの!?」という反応。そりゃそうだろう、今時“囲みメイク”ってのは流行ってないらしいからな。
「知ってる。在がいつも呼んでるだろ。」
「何かさ、ウチだけ健ちゃんのこと名前呼びだし……折角仲良くなれたのに、いつまでも名字で呼ばれてるの、ちょっと寂しいなぁって。」
確かにそうだ。この前の補習で数学の小テストが満点だったから、そのご褒美に、と井上。白紙で出していたらしい以前と比べたら明らかな成長なので、数学教師もびっくりしていたようだ。オレ達の特別補習のことを話すと、良い傾向だと笑い、“あとはその髪を何とかすれば完璧だ”と言われたのだそうだ。
「そういえば、琥珀って何か金髪に思い入れでもあるのか?」
「えっ!いきなり名前呼び!?」
「……何だよ、お前が呼べって言ったんだろ。」
「そうだけど……ま、いっか。あのね、ギャルメイクだとさ、やっぱり髪が明るい方が似合うんだよねー。」
「そういえば、お前って将来の夢決まってるのか?進学か就職かは?」
思えば、今まで話したことがなかったな。在とこいつが卒業試験をパスすることばかり考えていて、肝心の進路のことは何も聞いていなかったのだ。
聞くと、就職希望なので進学は考えていないとのこと。無事に卒業できたら、何か接客業に就きたいので、とりあえずアルバイトから始めるらしかった。
「翠ちゃんは絶対進学だから、もしウチまでそうなったら、親が大変でしょ?ほんとはね、服飾系とか料理の専門学校行きたかったんだけど……いつか自分でお金貯めてから通うのも、悪くないかなぁって。」
だから、とりあえず就職。それに、早く家にお金入れたいし。そう言って笑うのを見ていたら、人間見た目だけじゃ分からないものだなぁ、と沁々思った。
「何にせよ、その金髪は何とかしろよ。卒業したら、せめて暗めの茶色に染め直した方が良い。あと、化粧も濃いぞ。」
「えー、つけまないと生きていけない!」
「……もう少し自然なのはないのか?言い方が悪いけど、食虫植物みたいだぞ。」
それに、目の周りに色々塗りたくりすぎではないか。読んでいる雑誌と本人の考え方のせいなのだろうが、“アイラインを太く描けば良いものではない”と女子が言っていたのを聞いたことがある。それを伝えたら、「え、そうなの!?」という反応。そりゃそうだろう、今時“囲みメイク”ってのは流行ってないらしいからな。



