「学校ダルビッシュ~」
そう言うのは、E組の武藤駿だ。

「今日から授業だぜ?まじありえんてぃ」
武藤に続き、喋ったのは瀬戸彰だ。

二人はタバコを吸いながら歩く。


「うっわー最悪だしまじで」
自慢の髪も、触る。
ワックスの臭いがすごい。


「おめぇばかだし。サボりゃいいじゃん」

ポケットに片方手を入れる瀬戸。
腰パンからパンツがチョロチョロ見える。

「っしゃ。サボんべ?」

「当たり前だっつうの」

二人はグーの手を互いに合わせた。

「つうかまじこのタバコ飽きるし」

武藤はタバコを地面に捨て、火を消さずに普通に歩いてった。


最悪な奴だ。
瀬戸は武藤の姿を見て、何も言わないし動じない。

ただへらへらして見てるだけだった。


「ウケる。タバコ変える系?」

「あぁ多分な」

チャラチャラ歩く二人。


「俺も変えようかな」

そう言って、瀬戸もタバコを消さずに地面に落としたままだった。


「……ぅっわ!まじ髪型やべぇし」

誰かの家の窓の反射で自分を見て、言う。

「学校で治そうぜ」


「おぅ」