「まじ学校だるぅい」

「あはは―っ!!今日から授業かあ―………サボるう?」

高い声を出すのは、あの人しかいない。
華宮香織だ。
美山葵と登校中だった。


「数学サボろ―」
華宮と肩を並べて喋ったのは、美山葵だ。

「うん!!…………ねぇそれよりか何か気が付かない?」
自分の髪を掴み、美山に見せる華宮。

美山はじっくり見る。
くるんくるんの睫毛のなかの瞳で見る。

「はぁ~?????分かんねっ」
美山はそう言うと、タバコに火を付けてタバコを吸う。

その華宮は煙を、手で扇いで臭わないようにする。

「ねぇ分かるでしょぉ」
ぷぅっとする華宮。

「私はおめぇの彼氏かっつうの」

タバコの白い煙を口から出す。

「もぉ………じゃあ先生に聞こお」

そこで美山は吹く。
「ぷっ……!!センコーに聞くのけ?」

「先生なら分かってくれそおだも―ん」
スキップをする華宮。

「普段ならセンコーって言ってんのに、山水ときたら先生かよ」
ハッと、呆れる美山。

「相当気に入っちまったな……」

美山はタバコを地面に捨て、火を足の裏で消す。


「今日国語はサボんないよ―」


「どうせ山水のセンコーだからだろ」

「せいか―い!」

「………はぁ」